税金 アーニング・ストリッピング:租税回避の仕組み
世界規模で事業を展開する巨大企業は、活動範囲の広がりとともに、税金を少なくするための様々な方法を用いるようになりました。これらの方法は、法律に則ったものから、法律に違反するもの、そして合法か違法か判断が難しいものまで多岐に渡ります。利益を税率の低い国に移すことで、世界全体での税負担を減らす手法は、国際的な租税回避として問題視されています。このような租税戦略の一つに、利益を低税率国の子会社へ移転させる方法があります。巨大企業は、税率の低い国に子会社を作り、そこに利益を移すことで、世界全体で見ると税金を少なくすることができます。例えば、製品を製造する会社が、製造拠点を置く国とは別の、税率の低い国に販売子会社を設立するとします。製造会社は、製品を原価に近い低い価格で販売子会社に売り、販売子会社はそれを高い価格で販売します。すると、製造会社の利益は少なくなり、販売子会社の利益は多くなります。そして、販売子会社のある国は税率が低いため、結果として、企業全体としての税負担が軽くなります。これが利益移転と呼ばれる手法です。こうした手法は、本来であれば税金をしっかり払うべき企業が税負担を不当に減らすことに繋がり、国にとっては税収の減少を意味します。また、健全な企業間の競争を阻害する要因にもなり得ます。なぜなら、税負担の少ない企業は、その分を製品開発や価格競争に投資できるからです。国際的な課税ルールを整備し、企業の税負担を適正化することで、公正な競争環境を維持し、各国の税収を確保することが重要です。このため、国際的な協力による対策が求められています。
