仮想通貨用語 スミソニアン協定と変動相場制への移行
世界の国々が集まって、お金に関する大切な約束事を決めたスミソニアン協定。これは、1971年12月にアメリカの首都、ワシントンのスミソニアン博物館という建物で話し合われ、成立しました。少し前に、ニクソン大統領というアメリカの偉い人が、ドルと金の交換をやめると宣言した「ニクソン・ショック」がありました。この出来事は、世界の国々のお金に関するルール「ブレトンウッズ体制」を揺るがす、とても大きな事件でした。ブレトンウッズ体制が壊れそうになったため、グループ・オブ・テン(G10)と呼ばれる、世界の経済を引っ張る10の国の代表が集まり、新しいお金のルール作りを始めました。これがスミソニアン協定の始まりです。この会議で、まず決められたのはドルの価値を変えること。それまで、金の1オンス(約31グラム)は35ドルと交換できましたが、これを38ドルに引き上げました。つまり、ドルの価値を少し下げたのです。そして、他の国のお金とドルの交換比率も見直されました。例えば、日本の円は、それまで1ドル360円でしたが、308円に変わりました。これは円の価値が上がったことを意味します。他にも、イギリスのポンドやドイツのマルクなど、色々な国のお金とドルの交換比率が変わりました。さらに、為替レートの変動幅も広げられました。それまでは、各国の通貨の価値は、決められた範囲内でしか動かせませんでしたが、この範囲を広げたのです。これは、市場の動きをより柔軟に反映させるためでした。これらの変更は、当時、価値が高すぎると言われていたドルの価値を調整し、世界の国々のお金のやり取りのバランス、つまり国際収支の均衡を取り戻すための対策でした。世界経済の混乱を避けるための、各国による大きな努力だったのです。とはいえ、この協定は長くは続かず、数年後に変動相場制へと移行することになります。スミソニアン協定は、固定相場制の終わりと、新しい時代への移り変わりを象徴する出来事と言えるでしょう。
