仮想通貨用語 金融抑圧:歴史と未来
国の財政が圧迫された時、政府が採る手段の一つに金融抑圧と呼ばれるものがあります。これは、政策金利を低く抑えることで、実質的な借金の負担を軽くする方法です。第二次世界大戦後、多くの国が戦争で膨れ上がった借金に苦しんでいました。この膨大な借金をどのように返済していくか、大きな課題となっていました。そこで多くの国が採用したのが、この金融抑圧政策です。中央銀行はお金を大量に供給する金融緩和策を実施し、世の中に出回るお金の量を増やしました。これにより名目金利、つまり私たちが目にする金利は低く抑えられました。しかし、同時に物価も上昇し始めました。物価の上昇率を差し引いた実質金利は、なんとマイナスの状態になってしまったのです。普通、銀行にお金を預けると利子が付きますが、この利子よりも物価の上昇率の方が大きくなってしまうと、預金しているお金の価値は実質的に目減りしてしまいます。これは預金をしている人にとっては損のように見えます。しかし、政府にとっては低い金利で借金を返済できるので、借金の負担が軽くなるというメリットがあります。この金融抑圧のおかげで、多くの国は戦後の財政再建を進めることができたのです。一見、預けている人にとっては不利なこの政策ですが、急激な物価上昇や国の債務不履行といった経済の混乱を防ぐためには、必要な政策だったと言えるでしょう。当時の状況を考えると、痛みを伴う中でも、より大きな混乱を避けるための苦渋の選択だったと考えられます。国の借金を返すために、国民全体で負担を分かち合ったと言えるかもしれません。
