トレード コンコルドの誤り:投資の落とし穴
「コンコルドの誤り」とは、過去の投資額にとらわれて、損失が明らかでも事業から撤退できない状態を指します。名前の由来は、かつて運用されていた超音速旅客機「コンコルド」の開発です。コンコルドの開発は、巨額の費用がかかり、採算が取れないことが明白になってからも、多額の資金がつぎ込まれ続けました。すでに費やした費用を取り戻したいという思いから、開発中止という苦しい決断を避けようとした結果です。このような行動は、経済学や行動経済学の分野では「サンクコスト効果」とも呼ばれています。サンクコストとは、回収できない埋没費用のことです。本来、将来の意思決定を行う際には、サンクコストは考慮すべきではありません。将来の収益と費用だけを見て判断するのが合理的です。しかし、人は感情的な生き物であり、過去の投資を無駄にしたくないという気持ちが、合理的な判断を曇らせてしまうのです。コンコルドの誤りは、企業の経営判断だけでなく、私たちの日常生活でもよく見られます。例えば、面白くない映画を見続けてしまう、味が合わない料理を無理して食べてしまう、読み進められない本を最後まで読んでしまう、といった経験は誰にでもあるでしょう。これらは全て、すでに費やした時間やお金を惜しみ、損失を認めたくないという心理が働いている例です。コンコルドの誤りに陥らないためには、過去の投資は無視し、将来の利益と費用だけを考慮して判断することが重要です。「もったいない」という感情に流されず、損切りすることも時には必要です。また、第三者の意見を聞くことで、客観的な判断ができる場合もあります。冷静に状況を分析し、合理的な行動を選択することで、無駄な損失を避けることができるでしょう。
