ルール 規制AC:アナリストの独立性を守る
規制ACとは、米国の証券取引委員会(SEC)が2013年に定めた規則です。正式名称は「アナリスト認証規則」と言い、証券会社が投資家に向けて公表する株式調査報告書に関して、アナリストの独立性と客観性を確保することを目的としています。この規則が制定された背景には、2000年代初頭に起きた証券業界における不祥事があります。当時、一部の証券アナリストが、所属する証券会社の利益のために、実際よりも株価を高く評価した調査報告書を作成していたことが問題となりました。投資家はこうした偏った情報に基づいて投資判断を行い、損失を被ったケースもあったのです。こうした事態を繰り返さないために、アナリストの独立性と客観性を高めるための規則が必要となったのです。規制ACでは、調査報告書に記載された意見がアナリスト自身のものであることを保証する宣誓書の添付が義務付けられています。つまり、アナリストは、自分の誠実な考えに基づいて報告書を作成し、特定の企業や個人からの圧力によって内容を歪めていないことを誓約する必要があるのです。また、特定の銘柄の推奨などによってアナリストが得ている副収入についても公開が求められます。もしアナリストが、特定の銘柄を推奨することで報酬を得ている場合、その事実を投資家に開示することで、情報の透明性を確保し、利益相反の可能性を明らかにする狙いがあります。さらに、特定の投資評価や見解に対して報酬を得ていないことも開示する必要があります。この規則は株式だけでなく債券の調査報告書にも適用されます。また、米国の投資家向けの報告書を作成する海外のアナリストにも適用されるため、国際的な影響力を持つ規則と言えるでしょう。規制ACの遵守によって、投資家はより信頼性の高い情報に基づいて投資判断を行うことができるようになり、公正で透明性の高い市場の実現に貢献しています。
