仮想通貨用語 情報優位と労働市場:インサイダー・アウトサイダー理論
1980年代、世界は大きな経済の変わり目を迎えました。高度成長の時代が終わり、安定した成長へと移り変わる中で、仕事に就けない人の数は増え続け、仕事のやり方が硬くなってしまったことが問題視されました。それまでの経済の考え方では、お給料は仕事を求める人と仕事を提供する人のバランスで決まるとされていましたが、現実の仕事の世の中はそれほど単純ではありませんでした。なぜお給料は簡単には下がらないのか、なぜ仕事を探している人はなかなか仕事を見つけられないのか、これらの疑問に答えるために、新しい考え方が必要とされました。このような時代背景の中で、リンベック氏とスノーワー氏という経済学者が、インサイダー・アウトサイダー理論という新しい考え方を発表しました。この理論は、会社の中で既に働いている人(インサイダー)と、まだ働いていない人(アウトサイダー)という立場に着目します。既に会社で働いている人は、仕事のやり方や会社の情報などをよく知っており、会社にとって価値のある存在です。そのため、会社は簡単に彼らを解雇しません。また、彼らは労働組合などを通じて、自分たちのお給料を守る力も持っています。一方で、仕事を探しているアウトサイダーは、会社の内部情報や仕事のやり方をよく知りません。そのため、会社は彼らを雇うことにリスクを感じ、なかなか採用しません。結果として、アウトサイダーは仕事に就くことができず、失業状態が続いてしまうのです。インサイダー・アウトサイダー理論は、情報や交渉力といった要素が、仕事の世の中の仕組みを硬くしていることを明らかにしました。これは、それまでの経済学ではあまり注目されていなかった視点であり、硬直的な仕事の世の中を理解する上で重要な役割を果たしました。
